前日までの京都旅行を満喫しすぎてちょっと疲れちゃったんだけど、行くべきだったよな・・・。
そういえば、色々なところで虎の絵を観たのだけど、狩野山雪のぬめっとしたのが一番好きだったなー。
虎展も行きたかったけど遠いねえ。
今月はよく観よく呑みよく食べました。旅もしたし。初夏は楽しいなあ、季節の移り変わる時期はいい。
カリフォルニア・デザイン 1930-1965 -モダン・リヴィングの起源-
一番印象に残ってるのは、イームズのチェアに座って眺めるイームズハウスの映像。愛を感じるあたたかい映像だった。
ミッドセンチュリーって、若いころまわりの多くが憧れてたような記憶がある。
ポップでかわいくて、けど田舎の実家にはない洗練されたふうなデザインで。
その頃はまだコルビュジェとかプルーヴェとかヤコブセンとかは知らなかったんだけど、それでもイームズは知ってた。
なんかそういうのもあってか、ちょっと懐かしい気分に浸った展示。
椅子のことしか書いてないけど衣類や工芸品、工業製品からライフスタイルまで盛りだくさんな内容で面白かった。
フランス国立クリュニー中世美術館所蔵 貴婦人と一角獣展
入ってすぐにどーんとメインの「貴婦人と一角獣」タペストリー。クリュニー美術館同様に、ぐるりと展示されていた。
このタペストリーの展示スペースから放射線状に、紹介動画、同時代の関連作品などの展示スペースが配置されている。
その構成のおかげで、他の展示物を観たあとにまた貴婦人と一角獣の展示室へ戻り、少し前とは異なる視点で鑑賞することができる。
あくまで貴婦人と一角獣をじっくり魅せるための展示、といった印象。
タペストリーの細部についての映像はおもしろく、その後に観るタペストリーはまた新鮮に感じることができる。
まあ、細部どうこうやそれぞれの違いよりも、あの薄暗い展示室のまんなかでぼーっと眺めるのがすごく良かった。
神秘的で、なんか不思議な気分になる。一番好きだったのは聴覚。
ところでなんで獅子?はスルーされてるんだろ。貴婦人と一角獣て。
「北斎漫画」展
舟越桂観にいったらやってたのでふらり。しかし結構なボリュームで見ごたえあります。
しなやかな肢体の槍付きおじさん、DMにもなっていたけどかわいかった。楽しい展示。
舟越桂 新作版画展
舟越桂の彫刻の、スフィンクスには神々しさを感じてしまうのですが、版画で観るとアンニュイな変態にみえた。
というのは、背景が白い方。背景が黒い方は立体的で、鑑賞者の感情をゆさぶる感じ。ざわざわしました。
ひさびさに彫刻も観たいなー。
山口晃展 ~付り澱エンナーレ老若男女ご覧あれ~
なんだかんだ出不精になり、長いこと展示で観ていなかった山口晃。多分タブロイドギャラリー以来だな、、
展示最終日、夜遅くに駆け込んだのですが、行ってよかった。とっても面白かった〜〜。
ひとりでにやにや、おっ、あー、、なんて小さな声をあげつつ。知らない人もみんなそういうふうで、小さな発見と驚きを楽しんでるのがとても良い。
時間が限られていたので絵画作品を中心に、澱エンナーレの映像も観たり。楽しかった。
フランシス・ベーコン展
ベーコン展。
国立近代美術館の1Fでの企画展。そこまで混雑していなかったのと作品数が少なかったこともあり、
一点一点をじっくり鑑賞できる、映像もしっかり楽しめた。
ベーコンは作品を金縁の額に入れ、ガラスを通して鑑賞することを推奨したという。
すると、油絵独特の凹凸やぬめっとした質感がフラットになる。私はプリントを観ているような気分になった。
映り込みがあるのは嫌だけど、作品と鑑賞者の間に明確な隔たりを持たせるというのは興味深い。
こんなグロテスクな作品をでかでかと作っておいて、最後にフィルター(ガラス)を設置するというのはなんとも矛盾してる感じ。
そもそもベーコンを初めて観たのはこの国立近代美術館の常設だった。
実際今回作品をまとめて観て思ったけど、やっぱり気持ち悪いとか怖いっていうより、
マットで上品な質感のオレンジやピンクがきれいだとか、ぐにゃぐにゃにひん曲がった顔や肢体が格好良いとか感じたなー。
展示の中では、土方さんのダンスが一番生々しくて気持ち悪くて嫌な感じがした。
常設も相変わらず良かったし、ギャラリーでやってたオリンピックの展示も格好良かった。
今なお新鮮さを感じるデザイン。
吉川霊華の白描画。美しい線。
草間彌生の、とても気持ち悪いぐにゃぐにゃ。
河鍋暁斎の能・狂言画
彼が能の師匠のもとへ通っていたことはなんとなく記憶にあったけど、ここまで傾倒していたとは。
というくらいに、能や狂言の場面の作品が躍動的に描かれている。構図も楽しく、その様をほわーっと想像できる作品ばかり。
のびやかな線や丁寧な装飾が観ていて気持ちよかった。下絵の展示も多くて、その筆あとのなめらかさに恍惚。ほんと素晴らしい。
夏目漱石の美術世界展
西洋東洋問わず、夏目漱石の作品で言及のあった、もしくは彼が好んでいた作品の展示。
いやー、絶対趣味あう!とか思いながら観てた。どれもこれも私の好みの作品ばかりで本当に楽しかった。
ウォーターハウスやターナーなどは実際作品を観るのは多分初めてだったと思う、虜になってしまった。
そしてこの展示は、作品と関連する漱石の文章も展示されているところもまた魅力的。
彼の書いた書籍の中で絵画作品の描写が引用されていたり、そのまま画家名・作品名で登場していたりする。
絵画の文章化の表現力にドキとしたり、またそれを読んで絵画作品を見返すと新しい発見があったり。
絵からストーリーを連想させたりするのってロマンチックで素敵だな〜。
オディロン・ルドン―夢の起源― [PDF]
私、今期アニメは「悪の華」にドハマリしておりまして。
そのモチーフになっている華と、ルドンのチラシの蜘蛛がそっくりなので気になって観に行ってきました。
なんとボードレールの悪の華の装丁や挿絵をルドンが描いていたとのこと。
アニメの華ではないけれど、刺々しいダークな絵柄がイメージ通り。なるほどね。
しかしルドン・・・絵ヘタすぎない?観てられなかった。
下手なひとが一生懸命気持ちの悪い絵を描くと、こんなに狂気じみた気持ちの悪い作品になるんだと思ったくらい。
進撃の巨人に通ずる「これ以上はちょっと無理、、」を感じていたら最後に東郷青児の大きな作品。後味良くて、ちょっとスッキリ。
「もののあはれ」と日本の美
「もののあはれ」という言葉をひもときながら、日本の古典美術を味わうとっても楽しい展示。
展示作品も、絵画や蒔絵や器や鐔など多岐に渡り、それぞれの装飾にしみじみともののあはれを感じることができる。
鈴虫に使った青貝の怪しげな色味が美しい野々宮蒔絵硯箱、全体に散りばめられた金地がほろろと輝く土佐光吉の賢木屏風。
梨地の蒔絵をずらずら眺めたあとに観る漆黒に波紋がきりりと格好良い梅月蒔絵文台。
蘆雪の薄靄がかかったような月夜にうっとり、月夜山水図。沃懸地に銀鋲で露を模した蒔絵伽羅箱も良かったなあ。
絵画も工芸品も一点一点が、サントリー美術館の素敵なライティングにぱっと映えて美しくって息がもれるよ。
サントリー美術館で日本美術に興味を持って、そして毎回毎回新しい発見ができるのだ。幸せ♡場所も良い。
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